脱毛の途中解約と返金
いくら戻る?計算方法と手続きの流れ
公開日:2026年8月20日 / 情報の確認時点:2026年8月 / 監修:肌ケアラボ編集部

「引っ越すことになった」「思ったより効果を感じない」「支払いが負担になってきた」—— 脱毛は半年から2年かけて通うものなので、途中で状況が変わることは珍しくありません。
このとき多くの方が「一度払ったお金は戻らないだろう」と諦めてしまいます。でも、そうとは限りません。
脱毛の契約は法律で消費者が守られている契約で、 途中でやめる権利も、返金額の計算方法も、 事業者が差し引ける金額の上限も決まっています。このページでは、その中身を具体的な数字で説明します。
先に結論
① 契約期間中なら、いつでも理由を問わずやめられます。契約書に「解約不可」と書かれていても、法律が優先されます。
② 返金額の計算方法は決まっています。「支払った額 −(受けた施術の分 + 解約にともなう金額)」。 解約にともなう金額には上限があります。
③ 月額・ローンの場合は、店舗と信販会社の両方に連絡が必要です。片方だけだと引き落としが続くことがあります。
① そもそも途中でやめられるのか
結論から言うと、やめられます。
脱毛の契約のうち、金額が5万円を超え、期間が1か月を超えるものは、 特定商取引法の「特定継続的役務提供」という区分に入ります。 エステ(脱毛サロン)も美容医療(医療脱毛クリニック)も、どちらも対象です。
この区分に入る契約について、消費者庁は次のように説明しています。
クーリング・オフ期間経過後も、その契約期間中であれば、いつでも、理由の如何を問わず中途解約することができる
出典:消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供Q&A」(2026年8月確認)
「解約はできません」と言われたら
契約書に解約を禁じる条項があっても、法律で認められた権利のほうが優先されます。「うちは解約できない決まりです」と言われても、それで諦める必要はありません。 話が進まない場合の相談先は後述します。
② 返金額はどう計算されるのか
ここがいちばん知りたいところだと思います。考え方はシンプルです。
支払った金額 −(すでに受けた施術の分 + 解約にともなう金額)
= 戻ってくる金額
ポイントは「解約にともなう金額」に上限が決まっていることです。 お店が好きな金額を差し引けるわけではありません。
| 脱毛サロン(エステ) | 医療脱毛クリニック(美容医療) | |
|---|---|---|
| 施術を受ける前に解約 | 2万円まで | 2万円まで |
| 施術を受けたあとに解約 | 2万円 か 契約残額の10% の低いほう | 5万円 か 契約残額の20% の低いほう |
施術を受ける前に解約
- 脱毛サロン(エステ)
- 2万円まで
- 医療脱毛クリニック(美容医療)
- 2万円まで
施術を受けたあとに解約
- 脱毛サロン(エステ)
- 2万円 か 契約残額の10% の低いほう
- 医療脱毛クリニック(美容医療)
- 5万円 か 契約残額の20% の低いほう
※事業者が請求できる上限額です。これに「すでに受けた施術の分」が加算されます。 出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」(2026年8月確認)
実際に計算してみます
10万円で全10回のコースを契約し、2回受けたところで解約する場合で見てみます。 サロンとクリニックで結果がどう変わるかを並べます。
脱毛サロン(エステ)の場合
受けた施術の分:10万円 × 2/10 = 20,000円
契約残額:100,000 − 20,000 = 80,000円
解約にともなう金額:
2万円 と 80,000円の10%(=8,000円)を比べて低いほう=8,000円
差し引かれる合計:28,000円
戻る金額:72,000円
医療脱毛クリニックの場合
受けた施術の分:10万円 × 2/10 = 20,000円
契約残額:100,000 − 20,000 = 80,000円
解約にともなう金額:
5万円 と 80,000円の20%(=16,000円)を比べて低いほう=16,000円
差し引かれる合計:36,000円
戻る金額:64,000円
同じ条件でも8,000円の差が出ます
クリニックのほうが上限が高いぶん、差し引かれる額が大きくなります。契約金額が大きく、残りの回数が多いほど、この差は広がります。医療脱毛は回数が少なく済む代わりに1回あたりが高額なので、 「途中でやめる可能性がどれくらいあるか」も考えて回数を決めるのが現実的です。
※上記は法律で定められた上限にもとづく計算例です。 実際の返金額は契約内容(消化回数の数え方、キャンペーン価格の扱い、 化粧品などの関連商品の有無)によって変わります。 正確な金額は契約書と店舗にご確認ください。
③ 8日以内ならクーリング・オフで全額
契約したばかりなら、まずこちらを確認してください。契約書面を受け取った日から8日以内であれば、 クーリング・オフによって支払った全額が戻ります。
押さえておきたい3点
- 起算日は「契約書面を受け取った日」です。カウンセリングを受けた日ではありません。 書面を受け取っていない、記載に不備がある場合は、8日を過ぎてもクーリング・オフできることがあります。
- 書面または電磁的方法(メールなど)で通知します。口頭だけで済ませず、 いつ・どう伝えたかが残る形にしてください。
- 一緒に買った化粧品などの関連商品も、あわせて解約の対象になります。 未使用であることなどの条件があるため、開封前に判断するのが安全です。
✍️ 通知には、この5つを書けば足ります
- 契約を解除する(クーリング・オフする)という意思
- 契約年月日
- 契約したサロン・クリニック名
- コース名と契約金額
- 自分の氏名・住所・連絡先
送る前にコピーを取り、送った記録が残る方法(特定記録郵便・簡易書留、メールなら送信済みフォルダ) で送ってください。書き方に迷ったら、後述の消費者ホットラインで教えてもらえます。
④ 月額・ローンで契約している場合
広告でよく見る「月々◯円」の多くは、ローン(分割払い)です。 この場合、動いている契約は1つではありません。
2つの契約が同時に動いています
あなた ↔ サロン・クリニック
脱毛の施術を受ける契約
あなた ↔ 信販会社(クレジット会社)
代金を立て替えてもらい、毎月返していく契約
⚠️ 店舗に解約を伝えただけでは、引き落としは止まりません
店舗に中途解約を申し出て精算したあと、信販会社にも連絡して手続きをする必要があります。 片方だけで終わらせると、毎月の引き落としが続いてしまうことがあります。 解約を申し出るときに「信販会社への連絡はどちらがしますか」と必ず確認してください。
月額の仕組み(月謝式とローン式の違い)は全身脱毛は月いくら?で詳しく説明しています。
⑤ お店が閉店・倒産してしまったら
脱毛サロン業界では、過去に大手の破産が実際に起きています (銀座カラーが2023年、ミュゼプラチナムが2025年に運営会社の破産。 ミュゼは契約者120万人超と報じられました)。 通い終わる前に店舗がなくなった場合に、できることを整理します。
クレジットの分割払いなら「支払停止の抗弁」が使えることがあります
割賦販売法という法律にもとづき、信販会社に対して「これ以降の支払いを止めたい」と申し出られる制度です。 サービスが受けられなくなったのに支払いだけ続く、という事態を防ぐためのものです。
主な条件
- クレジット(割賦)契約であること
- 2か月以上にわたる3回以上の分割払いであること
- 支払総額が4万円以上(リボ払いは3万8千円以上)であること
ただし、限界もあります(ここは正直にお伝えします)
支払停止の抗弁は「これから先の支払いを止める」制度であって、 すでに支払ったお金が戻ってくる制度ではありません。一括で前払いしていた場合、この制度では取り戻せません。
すでに支払った分については、破産手続きのなかで債権として届け出ることになりますが、全額が戻るとは限りません。回数の多いコースを一括前払いするリスクは、ここにあります。
閉店の知らせが届いたら、契約書・領収書・振込記録を必ず保管し、 早めに消費者ホットラインに相談してください。手続きには期限があることがあります。
⑥ 手続きの進め方
契約書を探す
契約日・コース名・総額・回数・消化回数を確認します。契約日から8日以内ならクーリング・オフができます。書面が見当たらない場合も、それ自体が有利に働くことがあるので諦めないでください。
解約したいと伝える(記録が残る形で)
電話だけでなく、書面やメールなど記録が残る方法を併用します。伝えた日付・担当者名・言われた内容をメモしておきましょう。
精算内容を書面でもらう
「受けた施術の分がいくら」「解約にともなう金額がいくら」「返金額がいくら」の内訳を出してもらいます。②の計算と大きく違う場合は、根拠を確認してください。
ローンなら信販会社にも連絡する
店舗との精算が済んでも、信販会社の手続きが終わらないと引き落としは止まりません。どちらが連絡するのかを明確にします。
納得できなければ188へ
金額に納得できない、応じてもらえない場合は、消費者ホットライン「188」に相談します。無料で、専門の相談員が対応してくれます。
⑦ 困ったときの相談先
消費者ホットライン
188
「いやや!」と覚えます。局番なしで188。
お住まいの地域の消費生活センターにつながり、相談は無料です。
相談するときに手元にあるとよいもの
- 契約書・クーリング・オフに関する書面
- 領収書、振込やカードの明細
- これまでの通院・施術の記録(何回受けたか)
- 店舗とのやり取りのメモ(日時・担当者名・内容)
よくある質問(脱毛の途中解約と返金)
Q.脱毛の契約は途中でやめられますか?
Q.途中でやめたら、いくら戻ってきますか?
Q.施術を1回も受けていない場合はどうなりますか?
Q.月額(ローン)で契約しています。解約すれば支払いは止まりますか?
Q.通っているお店が閉店・倒産したらどうなりますか?
Q.解約したいと言ったら引き止められました。どうすればいいですか?
まとめ
脱毛の契約は、途中でやめる権利が法律で認められています。返金額の計算方法も、事業者が差し引ける金額の上限も決まっていて、 お店が自由に決められるものではありません。
知らないまま諦めると、本来戻るはずのお金を受け取れません。「解約できない」と言われても、それが最終的な答えではないということだけ、 覚えておいてください。
※本記事は消費者庁および関係機関の公開情報をもとに、2026年8月に編集部が作成しました。 制度は改正されることがあり、実際の返金額は契約内容によって異なります。 個別の判断が必要な場合は、消費者ホットライン「188」または専門家にご相談ください。
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